Finetrack(ファイントラック)社製アウトドアウェア向け洗剤のALL WASH(オールウォッシュ)と、吸汗加工剤のBASE RECOVER(ベースリカバー)を使ってみました!
オールウォッシュは今まで使ってきたアウトドア/登山ウェア用洗剤の中で一番オススメできます!!
Finetrack社製品はもちろんの事、ゴアテックスウェアや各種防水透湿ウェア、テントや靴にまで使ってOKです!
ただしダウン製品に使うのだけはダメ!
羽毛の持つ適度な油分も汚れと一緒に落としてしまう事でダウンのロフト(膨らみのこと)が落ちてしまいます。気を付けましょう。
ベースリカバーの方も、使い古して機能が落ちてきた吸汗速乾をうたうウェアに使うとしっかり吸汗機能が回復します。こっちもオススメ!!

吸汗速乾ウェアなのに汗を吸わない!?
スポーツやアウトドアアクティビティ、登山に適した吸汗速乾ウェア。
多くの人が一枚は持っていると思います。
出た汗をすぐ吸ってくれてすぐ乾くので着心地がとってもいいのが特徴。
汗を生地がスッと吸い上げて、その生地の上で汗がぶわっと拡散することで蒸発を促す機能があります。
これら吸汗速乾ウェアは大体のものがポリエステル繊維製です。
でもポリエステルってのは実は疎水性って知ってました?
疎水性ってのは水を吸いにくい性質のこと。
じゃあなんで水を吸いにくいポリエステルを使っているウェアが吸汗速乾ウェアをうたっているの?と疑問に思いますよね。
実は吸汗速乾ウェアにはポリエステル繊維が汗を吸うように製造段階で加工を施してあります。
この加工は着用しているうちについた皮脂や繰り返しの洗濯などによってどんどん性能が落ちていきます。
吸汗加工が落ちたウェアがどうなるかというと・・・・

こんな感じで水を弾いてしまうようになります。
指ですり込んでみたとしてもなかなか繊維が水を吸ってくれません。

画像だとちょっと分かりづらいですが水が膜になって残ってしまっています。
動画だともう少し分かりやすいです。
こうなります。
テストに使用したのは私が登山・トレッキングなどでいつも着ていたものです。
購入してから大体3年くらい。1回着たらどこにでも売っている家庭用洗剤で洗濯しています。
機能が落ちた吸汗速乾ウェアはかなり不快
汗をあまり吸わなくなってしまった吸汗速乾ウェア。
正直な話、まあしょうがないかと思いながら着ていましたが登山や走ったりなどで大量の汗が出た後だと汗で濡れた服が肌にベチョっとついてかなり不快。
繊維が汗をしっかり吸い込んでいないので肌と生地の間に汗が液体の状態で残ってしまっている為に肌にベチャっとくっついてしまうのです。
吸った汗も生地の表面からなかなか蒸発しないし、肌に触れると水を吸ったスポンジを当てられているみたいな感触です。
夏ならまだ”つめたっ!!”となるだけで済むんですが、冬だと結構な死活問題です。
濡れた服が肌に着いたまま寒い空気に晒されていると物凄い勢いで体温が奪われていきます。
冬山でビショビショの吸汗ウェアを着ている状態で風に吹かれ続けると低体温症を引き起こして最悪の場合死にます。
こうなってしまったウェアは買い替えという道もありますが、気に入っているウェアだったり気軽にポンポン買えるほど安くなかったりする場合もあります。
なので買い替え以外の方法として洗濯と吸汗加工剤を併用する事で機能を回復させることができないか試してみます。
吸汗速乾ウェア復活の儀!! ~洗濯編~
まず洗濯をして表面に着いた皮脂や泥などの汚れをしっかりと落としてやる事で製造時に付与されている吸汗加工が復活する事がありますので、さっそく試してみます。
洗濯に使う洗剤はFinetrack(ファイントラック)という神戸でアウトドア製品を開発しているブランドのALL WASH(オールウォッシュ)というものを使います。
お風呂のたらいに指定された量の水と洗剤を入れて先ほどのウェアを投入!

ウェアはいつもの洗濯をした後に一度も着ていません。
手洗いします。ジャブジャブ・・・

うわ、汚い。
普段ちゃんと洗えてないんじゃないかという事も頭に浮かんでくるほどですが、ちゃんと洗っています。ホントだよ。
オールウォッシュの洗浄力が強いのです。
このオールウォッシュのすごいところですが柔軟成分や香り成分が一切入っていないという事と特殊キレート剤がたくさん入っているという事。
一般の洗濯洗剤は柔軟成分や香り成分が添加されています。
もちろんこれらは普段着だったらふんわりとした着心地や洗い立ての服からいい香りがしてくるな~♪なんてところに寄与してくれるんですが、アウトドアウェアにとっては別です。
実は洗い立ての衣類の繊維表面に香りや柔軟成分が残留する事で機能を発揮しています。
この残留成分はアウトドアウェアに使われている吸汗加工を邪魔してしまったり、防水ウェアが持つ生地表面で水を弾く機能(撥水性能)を邪魔してしまったりする事があります。
なのでこのオールウォッシュはアウトドアウェアの機能を阻害しないように柔軟成分や香り成分が含まれていません。
また特殊キレート剤というものがたくさん含まれているのも大きな特徴です。
土壌に含まれるミネラル分(カルシウム、鉄、ナトリウム、マグネシウム等々の無機質)は洗剤のもつ洗浄力や泡立ちを阻害してしまいます。
洗剤のもつ本来の洗浄力を発揮させるためにこの特殊キレート剤というものが必要になります。
どうしてキレート剤を使うの?
例えば、水の中にカルシウムイオンや鉄イオン等が多量に存在すると、お風呂場で石鹸を泡立てようと思っても泡立たず、洗浄力は極端に低下します。同じように工業用洗浄剤でも、使用する水の中に金属イオンが多く存在すると洗浄力が低下します。このように、様々な工業用途で障害となる金属イオンを封鎖することで、その用途本来の性能を発揮させる為にキレート剤は使われています。
アウトドアウェア、こと登山用ウェアに関しては土・泥汚れから逃れる事はできないです。
雨が降った日のズボンの裾とかはドロッドロになりますよね。
これを洗う時にどうしても泥汚れに含まれる土壌のミネラル分が洗剤の洗浄力を低下させてしまうのです。
これを防ぐ為にオールウォッシュにはたくさんのキレート剤が含まれています。
ついでに販売元のファイントラック社に確認しましたが、生分解性と人体へのアレルギーテストもしっかり確認しているらしく自然・人体にも優しい洗剤となっているとの事です。
強い洗浄力・アウトドアウェアの機能性を邪魔しない・自然や人体に優しいと三拍子揃ったアウトドア/登山用ウェアの洗剤がこのオールウォッシュなのです。
今までいろいろとアウトドア用洗剤を使ってきましたが洗浄力だけ見ても多分これが一番なんじゃないかと感じています。
洗いあがりのウェアを使ってもう一度水滴を落とすテストをしてみます。

あれ・・・水弾いてますね。
スポイトの先や指でぐりぐりしても全然水を吸いません。
汚れはしっかり落ちても生地自体の吸汗加工がほとんど落ち切ってしまっているようです。
吸汗速乾ウェア復活の儀!! ~吸汗加工編~
オールウォッシュでしっかり洗ったけど吸汗速乾ウェアが水を弾いてる!!どうしよう!!
という事で次の手段に移ります。
同じくファイントラック社製のBASE RECOVER(ベースリカバー)を投入。
ベースリカバーは吸汗速乾ウェアに施された吸汗性能を回復させる加工剤です。
こちらは浸け置きタイプになるので加工剤を溶かした水にウェアを浸けておきます。

浸け置くこと約1時間。
浸け込みの後は水洗い等はせずに絞って乾かします。
もう一度水滴を落としてみると・・・
やりました!!
レインウェアのごとく水を弾いていた吸汗速乾ウェアが見事に水を吸うようになっています。
しかも水滴が生地に落ちると水滴の大きさよりも水が拡散しているのが見てとれます。
空気に触れる面積が大きくなればその分速乾性も上がります。
つまりウェアが汗を吸い、その汗が繊維を伝ってぶわっと拡散してくれることでより早く乾いてくれるのです。
これで汗をすぐ吸ってくれてすぐ乾くという触れ込み通りのアウトドアウェアへと復活を遂げました。
生地を持ち上げて手の甲に当ててみるともちろん湿っているのは分かるのですが、ビチャっとくっつく感じは皆無です。
ここまで違うものかとちょっと感動します。
まとめ
今回Finetrack社のALL WASH(オールウォッシュ)とBASE RECOVER(ベースリカバー)を使用して使い古した吸汗速乾ウェアが以前の機能を取り戻してくれるかテストしました。
結果はばっちり。汗を吸ってすぐ乾くウェアに戻ってくれました。
オールウォッシュは登山やキャンプ、釣りなどのアウトドアはもとより、スポーツなどで衣類についた汚れを強力に落としてくれる頼もしい洗剤としてかなりオススメできます。
ベースリカバーは使い古して汗をなかなか吸わなくなってしまった吸汗速乾ウェアを、買った当時の汗をしっかり吸ってすぐ乾いてくれる頼もしいウェアへと復活させてくれます。
是非いちどアウトドアウェアの洗濯やケアに使ってみることをオススメします!!